レディオヘッド衝撃のアルバム販売:音楽レーベルはもういらん?

超大物アーティストが相次いで大手レーベルと「決別」している。今年だけで↓の動き。

いちばん衝撃的なのはレディオヘッドのアルバム販売方式。ダウンロード販売自体はこのご時世、なにも珍しくはないのですが、衝撃的なのは、価格の設定方式。ダウンロードでの販売価格が「0ポンド(!)〜99ポンド」の自由設定で、価格はユーザーが勝手に決めてよい、となっているところ。

僕もきょう公式サイト(http://www.inrainbows.com/)からダウンロードしてみたのですが、本当に自由設定でした。。。わかってても衝撃的な↓流れ。

今のところ、このサイトでしか手に入りませんよ、との紹介文

価格を入力するところ

価格のヘルプをクリックしたら、「あなたにお任せします(It's Up To You)」との表示

ダウンロードが完了したら、MP3データ(がZIPで固められたファイル)をiTunesのフォルダに入れ、iPod君への同期完了。果たしてどの程度のユーザが有料ダウンロードしているのでしょうかね?教えてトム・ヨーク。ちなみに僕は3ポンド(700円ぐらい)払いました。レディオヘッド好きなのでゼロは気が引けたとはいえ、人間の小ささが出ますね。。。

レディオヘッドにとっては「ゼロ」コストでダウンロードされようが、周辺ビジネス(ライブツアー等)で儲けるために、十二分なプロモーション効果があるとの判断なのか。どれだけ安価でDLされようが、レーベルのピンハネ分より収入は高くなるとの判断なのか。

オアシス、ナイン・インチ・ネイルズジャミロクワイも「レディオヘッド方式」へシフトする、との噂。レーベルとの契約は、音楽をユーザに届けるための手段でしかないはずなのに、制作のあれこれについて、レーベル言いなりになることが超ビッグネームな彼等だけに我慢ならんのでしょう。クリエイティビティの阻害要因はいらん、と。

この方式、今の段階では、成功する可能性は残念ながら低く、お金持ちアーティストの道楽と言ってしまえばそこまでですが、今後はどうなっていくかわかりませんね。「お前らレーベルの力借りなくても、自分でDL販売やればそれなりにやれるぜ」という対レーベルの交渉手段になる気もする。AppleiTunes配信にあたり、今のところ、レーベルと契約していますすが、アーティストが直接Appleと契約を始めるのも時間の問題、なのか。ジャミロクワイは今はソニーとの契約で、基本的にiTunesでは配信されてないのですが、ソニーとの契約切れ以降、Apple専属契約第一弾アーティスト、なんかの実現がありえそうな気がするなぁ。

さて、日本ではどうなっていくのか。音楽業界は超保守的なムラ社会な業界なので、独自の道で行きそうですが。。。構造変化にあと10年ぐらい?