下流社会、若者は搾取される対象なわけで
- 作者: 三浦展
- 出版社/メーカー: 光文社
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- 作者: 堀井憲一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
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なんだか新書ばっか読んでる気もしますが、二冊。
まず、「下流社会」。僕も読むまでは、現代社会の問題点を鋭く指摘、的な本かと思っていたのですが、マーケティングリサーチ・レポートを新書にした感じの本、です。なので、Amazonのレビューを見ていたら、「解釈が恣意的」「で、何が言いたかったの?」「統計が信頼できない」的な批判的な文章が踊っていますが、マーケティングリサーチ、って僕自身、そんなもんだと思ってます。あくまで一つの仮説を検証する手段としてのリサーチ、なわけで。"現代社会の闇"を明らかにする、という目的で著者が本書を執筆したとは思えません。一つの仮説の論証、キーワードとして「下流」という引きの強い言葉を選んだのはマーケッターならではのやり方。
で、「若者殺しの時代」。高度経済成長以後の「若者が搾取されていく社会への変貌」について、つまり、「下流社会」と同様のテーマをサブカル的観点から論じています。全体的に非常に軽いタッチではありますが、実はこちらのほうが”現代社会の闇”に迫ってると思います。搾取される若者、どうサバイブしていくか、のメッセージもあり、ですし。
ちなみに、いずれの著書にも"「下流セグメント」「歌って踊る若者」といった搾取される対象から逃れるためには、「バカの壁」をいかに超えるかがキーワード”、との下りがあります。新書ブームの火付け役となった養老先生の影響大、ですね。