「マリー・アントワネット」退屈とか孤独とか。
映画「マリー・アントワネット」ソフィア・コッポラ監督作品
退屈とか、孤独とか、ネガティブな感情も、丁寧に描くと美しい。
一言で言うとそんな感想。「ヴァージン・スーサイズ」「ロスト・イン・トランスレーション」から続くソフィア・コッポラ的世界の映画でした。「退屈・孤独」という現代的テーマを歴史的セレブであるマリー・アントワネット(今で言うと、パリス・ヒルトン?)を借用する形で描いています。
「ロスト・イン・トランスレーション」のストーリーが「ハリウッド中年俳優と、若い人妻が異国の地、東京で出会い、孤独を共有しあう。」としか表現できないように、「マリー・アントワネット」にも大したストーリー展開はありません。あくまで描かれるのは華麗なヴェルサイユだからこそ浮き彫りになる主人公の「退屈と孤独」。テーマがそんな内容なのに、表現としては、おもいっきりポップに、ガーリーに、華麗に描けるのはソフィア・コッポラの感性のなせる技。
「歴史的人物の物語=大河ドラマ的ストーリー展開」という価値観を持っている人が観ると、「何じゃこりゃ」な映画なのかもしれません。歴史もの(事実)、ではなくて、シチュエーションコント(フィクション)、ですね。そもそもフランス人が英語で話している時点で、外国人が観たら奇異なので、「コレはフィクションです」と言わなくても済む大前提があるのでしょう。その点で日本人的は損しているのかも。僕はかなり好きな類の映画なのですが、本来、大々的に宣伝してメジャーに公開する映画では無いですね。
最後に、キルティン・ダンストもスパイダーマンではヒロインとしてはギャグ、ぐらいの感じでしたが、等身大系キャラはなかなか良かったです。とはいえ、開始当初の14歳の設定はキツかったですが。。。
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