人生の大半の問題はスルー力で解決する、のか?

スルー力(するーりょく)」という言葉。ご存知でしたか?言葉の通り、自分に対して向けられた批判を「スルー(無視)する」能力のこと。まじめな人に特に必要な能力なのでしょう。広義では、「自分に関係のない世界の情報をフィルタリングして拾わない能力」も含まれるみたいですが、昨年後半ぐらいから話題になっている言葉、みたいです。(もしや、またもや話題が古いか??)

さて、「スルー(無視)」という行為の価値観について。『2ちゃんねる』の「おやくそく。」の「頭のおかしな人には気をつけましょう」の文章が最も端的に表現しているかもしれません。

頭のおかしな人には気をつけましょう(2ちゃんねる・おやくそく。

利用者が増えるに従って、頭のおかしな人もそれなりに出没するようになって来ています。頭のおかしな人に関わるとなにかと面倒なことが起こる可能性があるので、注意しましょう。

頭のおかしな人の判定基準

「みんなの意見」「他の人もそう思ってる」など、自分の意見なのに他人もそう思ってると力説する人
他人が自分とは違うという事実が受け入れられない人です。自分の意見が通らないとコピペや荒らしなど無茶をし始めるので見かけたら放置してください。

根拠もなく、他人を卑下したり、差別したりする人、自分で自分を褒める人

他人を卑下することで自分を慰めようとする人です。実生活で他人に褒めてもらう機会がないがプライドだけは高いとか、匿名の掲示板しか話し相手のいない人です。可哀想なので放置してください。

自分の感情だけ書く人

「〜〜がムカツク」とか自分の感情を掲示板に書くことに意味があると思っている人です。何がどのようにムカツクのか論理的に書いてあれば、他人が読んでも意味のある文章になりますが、そういった論理的思考の出来ない人です。もうちょっと賢くなるまでは放置してあげてください。

私自身、2ちゃんねらーではないので、上記文章は以下新書で知りました。

「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)

「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)

著者・冷泉彰彦氏曰く、上記の「頭のおかしな人には気をつけましょう」文章は「二十一世紀の名文」らしい。たしかに、匿名コミュニケーションの真理を端的に表現しています。

こういったインターネット特有のコミュニケーション手法「スルーする」手法を現実世界も含んだコミュニケーション全般に適用し、うじうじせず前向きに生きましょう。スルー力を高めましょう。というのが「スルー力」提唱派の意見の模様。提唱されている高林哲氏によると
「人生の大半の問題はスルー力で解決する」
らしい。
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うーん。どうだかなぁ。たしかに一理あります。そんな時代だからこそ、「スルーしない=何事にも正面から向き合う姿勢」も評価されるべき、だと思います。何をスルーして、何と向き合うのか、を判断する力が求められている気がします。逆説的ですが、スルー力が求められる時代だからこそ、コミュニケーションにおいて、スルーしない割合を増やす努力が必要なのかも。対立が生み出す何か、を無視はできないなぁ。(特にリアルコミュニケーションの場合は。)


【参照記事】