スティーブ・ジョブズ-偶像復活

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

本日付のアカデミー賞で「レミーのおいしいレストラン(Ratatouille)」がアカデミー賞長編アニメ賞を受賞。「ファインディング・ニモ(Finding Nemo)」「Mr.インクレディブル(The Incredibles)」でも同賞を受賞している"ピクサー・アニメーション・スタジオ"は名実ともに、世界一のアニメーション制作会社。個人的な体験としては、映画をほとんど観ない会社の先輩が、飛行機の中で観た「カーズ(Cars)」に感動し(号泣し)DVD購入した話を聞いた時に、ピクサーの底力を思い知った次第です。

が、ピクサーがもともと、コンピューター製造販売もやっていた会社、という事実はほとんどの人が知らない事実でしょう。いわんや、現アップルCEOであるスティーブ・ジョブズジョージ・ルーカスから買い取って設立した会社、なんてことも。

スティーブ・ジョブズ-偶像復活』を読んでそんな"アップル以外"のジョブズの素顔を知る。

若干22歳でアップルを設立し、億万長者になるが、30歳で会長職をクビになったジョブズ。自分で作った会社をクビになるというのもスゴい話ですが、その後の人生も波瀾万丈そのもの。アップルCEOに返り咲いた後の快進撃イメージの背景には、若くしての成功と、たくさんの失敗があったことを知り、純粋に驚く。

この本の面白いところは、ジョブズの半生を単なるカリスマとして崇めるのではなく、「エゴイスティックで矛盾した性格だけど、魅力的」と"皮肉を込めて"描いているところでしょう。ケチで、自分に従わない人間に対する仕打ちはヒドい男。認知していない子供の名前をコンピューター新製品の名前(リサ"Lisa")にする、という矛盾した行動をとる男(=さらに皮肉なことに、Lisaプロジェクトは、他人に乗っ取られてしまう)実はエンジニアとしての能力は低く、自分は空っぽなのかも、という焦燥感を、"ビジョン"と"行動"で克服した男。

Macでパーソナルコンピューターの歴史を作り、ピクサーで映画業界にCGアニメ革命を起こし、iPodiTunesで音楽業界の流れを変えた、まさに偉大なる「アイコン(iCon)=原題」としてのジョブズが描かれる。もちろん「iCon」という言葉自体にも皮肉が込められていることはお忘れなく。(=偶像、お飾り、その他もろもろ、、、)

世紀のプレゼンの名手と呼ばれるジョブズですが、ビジネスの場を離れた部分でも、その能力は活かされるようで、有名な↓のスタンフォード大学卒業式でのスピーチはものすごく印象にのこります。(もちろん僕は字幕付きで観ました。。。)

Steve Jobs Stanford Commencement Speech 2005


日本語字幕付きはこちら(字幕.in)

I have looked in the mirror every morning and asked myself"If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?"
私は毎朝、鏡に向かって、自分に尋ねています。「もし、今日が私にとって最後の日だったら、自分が今日やる予定のことを、やろうと望んでいるのであろうか?」

Stay Hungry. Stay Foolish.
ハングリーであれ、馬鹿であれ。