ザ・サーチ グーグルが世界を変えた
- 作者: ジョン・バッテル,中谷和男
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2005/11/17
- メディア: 単行本
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"現在進行中の神話"であるグーグルを中心とした検索(サーチ)にまつわる物語。単純なグーグル礼賛本ではなく、そのライバル企業や、既に舞台から去っていた企業についても、それぞれ物語があるので、日本語訳にある副題「グーグルが世界を変えた」には販売戦略的なものを感じますが、「グーグル本」としてもかなり秀逸な内容だと思います。
ただ、読破するのは、インターネット業界に生きている人・知識のある人じゃないと厳しいのかな、とも思う。たとえば一般の人は「グーグル」は分かるかもしれませんが、「オーバーチュア」になると認知率ガタ落ちだと思うので、、、アルタビスタ、ゴートゥー・ドットコム等のキーワードがどしどし出てきて、こりゃ理解できんと思うと読めない内容かもしれません。
ライブドア事件の影響なのか、日本では未だに「ネットビジネス=虚業」と捉えられがちではあるのですが、テクノロジーカンパニーを設立させた男達の熱い物語を是非とも感じ取って欲しいな、と思う。グーグルに成り得た存在が他にもあった、という事実にも注目。
個人的には、グーグルは何故タダなのか、ということを改めて考える。NHKスペシャルのグーグル特集で、CEOエリック・シュミットが
みたいなことを言っていた(正確には違うかも)のを思い出し、ワードを検索窓に打ち込む我々は所詮、「巨大なサーチエコノミーのひとつの歯車→マトリックスの電池」なのかな、と思ってやりきれん気持ちとなる次第。Googleからのトラフィックがある日突然奪われ(いわゆる「グーグル八分」というやつ)途方にくれる中小ECサイト経営者の↓の言葉が身にしみる。(本書7章より)
グーグルは与え、そしてグーグルは奪い取る
ひとつの無力な電池としては、『邪悪にならない(Don't be evil)』が社是であるGoogleがダークサイドに堕ちないことだけを祈ります。