フューチャリスト宣言

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

野菜ジュース(カゴメ野菜生活、とか)が大学生に売れているそうです。カゴメの人が言ってました。今の若者は、「未来に対する漠然たる不安がある」らしく、「とりあえず、野菜ジュース飲んで悲観的な未来に備えるか」という心意気だそうで。野菜ジュースが売れる理由は、意志的な健康志向ではなく、悲観的要因(ネガティブファクター)、のようです。

楽天的であるということは一つの意思である(本著「はじめに」より)

「今日より楽しい明日が来る」時代の雰囲気じゃないので、未来志向な人(フューチャリスト)は貴重。「フューチャリスト宣言」はフューチャリストなお二人である梅田望夫氏と、茂木健一郎氏の対談本。

自分自身が体感して、明らかな変化と感じているWeb世界の本質は、正直うまく自分のコトバで説明できません。スーツを着た大人は「Web2.0」みたいなコトバで全てを表現しようとしますが、それはそれで違和感もある。本書はインテリ的表現ではありながら、Web時代のの世界観・本質をうまく表現しているな、と。それを総体として表現するのならば、「フューチャリスト」という言葉なのか。

無限の選択肢があるネット時代では、強い志向性を持った「サーチ&チョイス」が重要、という茂木さんの表現には感銘を受ける。「ネットは自由な存在である」という性善説を主張する意思には、学ぶべき点が多い、そんな本。