ソニー/任天堂、マーケットイン/プロダクトアウト

[rakuten:edigi-game:1346777:image]Wii【メーカー生産終了】
普段、全くゲームをしないのですが、今、ゲーム機買うとしたら、ニンテンドーDSか、Wiiでしょう。PS3は値段が高いこともありますが、なんだか巷で言われる"戦艦大和"な感じが気持的にフィットしません。

で、もろもろ大人の事情があって、久多良木さんがSCEの取締役を退任。

ソニーグループに数千億規模の新しいビジネスを作った人なので、簡単に批判できないことは理解しつつも、↑のような記事を読んでいて、極論として、以下対比で考える。

  • SCE・久多良木さんは「自分の欲しいもの」を作った。
  • 任天堂・岩田さんは「みんなが欲しいと思うもの」を作った。

現段階では任天堂のやり方が評価されています。が、久多良木さんがプレステ・プレステ2を作った頃は、間違いなく、「久多良木さんが欲しいもの=みんなが欲しいもの」だったわけで、SCEのアプローチは決して間違っていたわけではない。任天堂のDSにしろ、Wiiにしろ、「みんなが欲しいと思うもの」を発端として開発された商品なのかもしれませんが、岩田さん自身の「自分の欲しい物」であったはずですし。。

そのあたりマーケティング用語では、「マーケット・イン」とか、「プロダクト・アウト」とかいう言葉で比較されるようです。詳しい考察は以下エントリを参考。

アプローチはどうあれ、勝手にまとめてしまうと「自分が欲しくて、みんなが欲しいと思うものを作る」ことが商売の当たり前の基本、ということ。

個人的にソニーがPS3開発で「みんなが欲しいと思うもの」に関して読み間違えたのかな、と思うのは「携帯コミュニケーションの発達」について。

プレステ2の発売は、2000年。iモードの開始が1999年なので、現在ほど、携帯コミュニケーションが発達してなかった頃。そのころ、みんなにとってプレステが目指した「圧倒的な映像表現」には新鮮な驚きがあったわけで、大ヒットにつながった。

が、現在は、「圧倒的な映像表現」とは無縁の携帯コミュニケーションが成熟。プレステが目指す世界と、みんなの気持ちは乖離してしまった中、携帯の持つ「身体と結びつく」感じのインターフェースや、「お手軽コミュニケーション」を実現できるDSとかWiiとかが支持されるよう結果になった、と考えています。

個人的にも、仕事で携帯コンテンツの話をエライ人にする時は、理解してもらえなくて困る場合が多い。久多良木さんも、携帯電話の持つコミュニケーションの世界は理解できないのかもしれません。