「Webすなわち、クチコミ」と勘違いしないよ

バズ・マーケティング

バズ・マーケティング

アメリカンな言い回しが満載の本(翻訳的に・・・)ですが、時代軸にとらわれない事例が多く、おもしろい。特に、マッキントッシュスーパーボウル「1984」CM秘話や、「箱の色が気に入らないので出荷延長」、といったあたりを興味深く読みました。

Yahoo!辞書 - バズ・マーケティング
「バズ」は「蜂がぶんぶんと飛ぶ音」という意味で、人の口から口へと伝えていくマーケティング手法のこと。いわゆる口コミではあるが、従来の口コミ手法と異なる点は、販売ターゲットを明確にし(若者一般ではなく、勉強に一生懸命の高校生とか、クラブで遊んでいる大学生といった、細分化されたターゲットグループ)、そのグループに影響力のある「人物」(情報発信人)と蜂集団(情報伝達人)の選定である。〜(以下省略)

しかし、なんだか、猫も杓子も「クチコミ」です。
ちょろっと調べただけで、以下のような「Webを利用したクチコミ効果測定/販促」サービスが、、、

上記のようなサービスは、本質を理解した人たちが企画・運営されているのでしょうが、世の中一般的には、「Webすなわち、クチコミ」と勘違いしている人が多い。たまたま、Webという「手段」がクチコミという「目的」にフィットしているだけで、決して、「Web=クチコミ」ではありません。そのあたりを勘違いした人たちが、「ブログ/SNSを利用したクチコミキャンペーンを」とか、臆面なく、何も考えずに言ってしまう感じ。

(クチコミの威力は認めつつ)極論を承知で言ってしまえば、消費者にとって、「クチコミ情報か否か?」はさほど重要ではないのでしょう。「クチコミ」も情報源のひとつであり、クチコミが絶対一番、ではありません。消費者は自分にとって、有益なもの、おもしろいもの、便利なものにだけ反応します。広告であろうが、コンテンツであろうが、情報の選択権利は消費者にあります。「クチコミ情報だぞ、ほれほれ、喜べ喜べ」という一方的態度では、絶対に消費者は振り向いてくれません。情報の選択権は、あくまで消費者にあります。

世の中ほとんどのブログキャンペーンが盛り上がらない原因はそのあたりの本質を理解していないところにあるのかも。「情報を一方的与える」立場に慣れきった人たちにとっては難しいのかもしれませんが、クチコミに取り組むためには、コンシューマーインサイトという基本を忘れないようにしなければ。

てなことを考えていると、日経BPの以下記事で同じようなことを言及されていますね。

Web2.0(笑)の広告学:「別にいいよ、広告でも。役に立ってウソ言わなければ」。

一部会員制サイト(無料)ゆえ、引用は避けます。しかし、この日経BPの会員登録(およびログイン)は使いづらい・・・