リトル・ミス・サンシャイン LITTLE MISS SUNSHINE

  • 人生の勝ち組を目指す、怪しげなメソッドに没頭する父親
  • ニーチェを見習い、9ヶ月間沈黙を貫く兄
  • 教え子(男)との恋に破れ、自殺未遂したゲイの叔父
  • ヘロイン吸引で老人ホームから追い出された祖父
  • 家族をまとめようと奮闘するが、若干ヒステリック気味の母親。
  • 幼児体型ちょっと太めのなのに、美少女コンテスト優勝を目指す妹

それぞれはギリギリアウトなキャラクターにもかかわらず、みんな集まるとやはり「家族」。やっぱ家族ってそんなもんだよな、と再認識。みんなで旅するロードムービー、とも言えるのでしょうが、旅の途中でおこる些細なこと(重大なこと、も起こる)に遭遇する度に冷えたり、熱くなったりする家族関係が物語の軸。みんなで押さないと発車できないバスに乗って旅する姿自体が「バラバラだけどみんな一緒」という家族の姿を投影している感じ、なのかな。

低予算にも関わらず、アカデミー賞2部門受賞(助演男優賞脚本賞)。オープニングのカットだけで、各キャラクターの特徴が把握できてたり、妙に間延びしたカットがあったり、青い空に映える黄色のおんぼろバス、なんかは撮影・編集の妙だな、と感心する。総じて、いまどきのアメリカ映画っぽくない(=大作志向じゃない)映画。

最後は大笑いしながら泣ける。「美しくて強い」だけで良いのか?という社会への皮肉・批判もあるけど嫌らしくない程度の描写で、よいです。おすすめ。