新聞社―破綻したビジネスモデル

新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)

新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)

新聞社にとっての”不都合な真実”とも言うべき内容を元・毎日新聞取締役が書いた新書。著者は本書発売後、関連会社の役員を解雇されたとか、なんとか。

新聞がビジネスモデルを広告に頼っている以上、ジャーナリズム的な偏りが出るのは当たり前で、ジャーナリズムの正義を新聞出身者が書いても、もはやリアリティがなかったりします。その点、本書では著者が”元・取締役”だけあり、新聞のビジネスモデル的な問題点を経営的視点で語られており、興味深い。

僕自身、むかし住んでいた家で、読売新聞を1年以上タダで購読していた経験があるのですが、そのあたり販売のウラ事情がなるほどと思えるように描かれています。新聞販売の構造的問題は根深いのですねハイ。

新聞のビジネスモデルは、おそらく1985年ぐらいに事実上終了したであろう「戦後」(今も、「戦後」ですが)という、とんでもなく長いタームで誕生し、確立され、隆盛を誇り、すでに滅んでしまったビジネスモデルなんでしょう。

実は、僕自身、新聞好きです。ただ、新聞特有の「サマリー性」「偶然の出会い」を好むだけであり、媒体が紙である必要はない。「グーテンベルクと心中する必要はない」とは著者も言ってますが、現実は紙と心中せざるを得ないのでしょうきっと。iGoogleとかの利便性を見てると、新聞社の絶滅も、そう遠くないかも、と思ってしまうわけで。

そもそも、日経の15段広告(見開きの片面1面広告)の定価は2,040万円もするんです。でも購読者からは「4,383円/月」の料金をとっているわけで。。。。